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チキンステーキへの思い
幼少期から食欲旺盛だった僕は
母ちゃんが作る晩餐が日々の楽しみという小学生でした。
ある日父親が原因で母ちゃんが家に帰ってこなくなりました。
それからというもの、毎日並んでいた手料理が父親の手紙とお金に変わりました。
『このお金で何か食べて下さい』。。。。
テーブルに置かれたお金を握りしめ
スーパーのお惣菜、近くのお弁当屋さん
小学生の頃には、単身サラリーマンみたいな生活でした。
毎日、毎日同じメニューのルーティンにあきてしまった僕は意を決して公衆電話から母ちゃんに電話をしたのを覚えてます。
『母ちゃん 飯を作ってくれ!!』
次の日、学校から帰ってくると玄関先から
懐かしい香りがただよってきました。
その時、小学生ながらになぜだか照れてしまい玄関先を出たり入ったりしたのを覚えてます。
母ちゃんの『お帰り』って言葉と
食卓に並んだ料理
久しぶりに母ちゃんと会ったのに
いつも通りにふるまった小学生の僕
『母ちゃん、今日の晩飯 何?』
母ちゃんが言う
『今日はチキンステーキよ!!』
多分 死ぬまで忘れはしません
その時食べたチキンステーキの味を・・・・・
今 現在に至っても、ステーキ屋に入って
牛ステーキではなく
チキンステーキを頼む僕
母の作る なんの工夫もされてはいない
ただ息子に美味しく食べてもらいたいという
愛情というスパイスだけのチキンステーキ
なんだか こんな文章書いてたら
腹が減ってきたな~
母ちゃんに電話しよ・・・
母『はい、もしもし』
僕『母ちゃん、飯つくってくれ!!』
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